日本キリスト教団 安中教会のステンドグラス
2/15美しい大きなボタン雪が舞い降りる中、群馬県安中市の日本キリスト教団 安中教会のステンドグラスを見に行ってきました。この教会は、現在(2013年)NHKで放送中の大河ドラマ「八重の桜」の主人公八重の夫の新島襄ゆかりの教会です。新島襄が明治になってからキリスト教を故郷で教えた地であり、地元の名士であった湯浅治郎が恩師新島に報いるため教会堂の新築を志し、私財を投じて寄付を募って建設されたそうです。
ステンドグラスを作り始めるきっかけを作ってくださった加藤さん、荒関さんと3人で出かけました。当日は、牧師の江守秀夫さんがストーブを焚いてあたたくして待っていてくださり、丁寧に説明をしてくださいました。創建当時の新島襄、海老名弾正、柏木義円そして湯浅治郎の思想的、宗教的な功績をかいつまんで触れることができました。
この教会にはアメリカからステンドグラスを学んで帰った小川三知 (さんち) という人の作品があり、日本のステンドグラスの先駆者である三知の作品が私の住んでいるところから山を越えて20分程の所にあるなんて驚きです。小川三知は、慶応義塾図書館や鳩山邸、三越や京都の柊家などの名だたる建造物に美しい作品を残していますからこのように田舎の小さな教会に三知の作品があることは、湯浅治郎の教会建設にかける志の高さによるものと思われます。
建物は大谷石で造られており、内部の木もケヤキなど無節の上等なものを使って建造されています。
鉛線で組まれたステンドグラスは、およそ100年前のものですが、美しく気高く教会の中で輝いていました。鉛線の組み方も丁寧で保存状態も良く、また、色彩も上品でした。
小川三知はもともとは、日本画の出身ですから他の作品は日本らしいラインと色使いで表現した作品が多く、和魂洋才、ステンドグラスを日本画の世界で咀嚼しなおして花開いた芸術家なのではと思います。詳しくは、私の愛読書「日本のステンドグラス 小川三知の世界」白揚社刊に詳しく記されていますのご覧ください。
とにかく、今日は、江守牧師の温かいおもてなしと100年前の安中の湯浅治郎氏の志の気高さ、小川三知の芸術の世界に触れて充実した一日を送る事が出来ました。この出会いに感謝いたします。